「この気持ち、きっと一番共感できるのはあなたたちじゃないかな?
命を捨ててもいいくらい守ってあげたい人ができた。でも、逢うたびもっと好きになって、ずっと一緒にいたい…と思うようになった。
簡単に言えばこうでしょ?」
気がつけば、クラスのみんなが顔を上げて、
アタシの話を聞いていた。
「古典の短歌ってね、難しくないの。
恋愛なんてみんなと同じ価値観なのは今も昔も変わらないのよ?
昔の人もね、誰かを愛する気持ちは必要だったの。」
真剣に聞くのは内容が恋愛だから?
それでもいい。
興味を持ってくれるだけで。
「例えば、次の百人一首ね」
みんなが進んでページを開き始める音がちらついた。

