「じゃあ、この百人一首はどう?」 すぐに視線を変えて 問題を読む。 「君がため 惜しからざりし 命さえ 長くもがなと 思いけるかな …この意味は あなたのためにはたとえ捨てても 惜しくないと思っていた命までも、 逢瀬を遂げた今となっては、 長くありたいと思うようになった。って意味なの。 好きな人のためなら捨てれる命。 でも、逢ったら長くあってほしい、 と思うようになった…ってことでしょ?」 少しずつ、 生徒達がアタシの顔を見て話を聞いているのが分かった。