「センセイ、きれいなのにもったいないね」 前の席から聞こえるかわいい声。 あたしをじっと見つめる女の子。 「センセイ、奈津子だからぁー なっちだっ!」 「あ、いいじゃん。それ! なっち、ってカワイイ」 たくさん聞こえる女の子の声が あたしを嬉しくさせた。 ‘なっち‘ 飛び跳ねるくらい嬉しい。 だって、あたしの愛称みたいなものだもん。 教室の雰囲気ですぐに分かった。 このクラスのみんなは、 優しい子たちでいっぱいなんだなってこと。