争いの歴史。


 戦に優れし火の民。学を持たず。


 学に優れし水の民、気迫を持たず。


 芸に優れし風の民、業を持たず。


 業に優れし土の民、芸を持たず。


 争いを止めるべき、光と闇の民、彼らを抑える力を持たず。


 大いに悲しむは、精霊たち。


 このようなことのために、人間を作ったわけではない。


 人間たちの争いに使われるぐらいならば、我々はその力を封じ込めることにしよう。


 世界より、魔法が消え去る。


 しかし、一度生まれた溝は埋まらず、彼らは五つの国に分かれる。


 南に作られし、火の国。


 温暖な気候に恵れ、モンスターが列挙する国。狩猟の国家となる。


 北に作られる、水の国。


 モンスターのいない平和な国。しかし、厳しい気候環境は、それだけで人を殺す。知恵と持たぬものは、生きていくことはできない。


 西に作られし、風の国。


 豊富な作物、豊富な土地。遊牧を好む。


 東に作られし、土の国。


 豊富な資源に恵まれし国。広大な産業国家へと姿を変える。


 中央に作られし、光と闇の国。


 全ての国へのパイプラインとして、商業国家として、姿を変えるが、主な産業は一切なし。


 国を分かち、五つの国。


 魔法を失いし五つの民族。


 しかし、その溝は深い、その欲は深い。


 争いは当然、戦争は必然。


 長きに渡る千年戦争・・・未だ、終わらず・・・。