ライスト地域の特徴。


 ライスト地域は、全ての地域の真ん中に位置する地域。


 ゆえに、ここは一大商業地域となっています。


 ドーラの産業、アイスラの知識、ファイアルの獲物、そして、ドーラの歌や踊り。それらが全て集中する唯一の国です。


 そのため、他の地域からこの地域に来ると、年中お祭り騒ぎのような感覚に陥ることでしょう。


 一方ライストの民、光と闇の民、改め光の民は、主な能力を持ちません。


 ファイアルの人のような勇敢な腕も、ドーラの人のような魅力的な芸も、アイスラの人のような深い知識も、ドーラの人のような手先の器用さも持っていません。


 ただ、唯一、この国の人が他の地域より優位性に立てるものがあります。


 それが、降魔師の存在です。


 降魔師は、この地域の民からしか生まれません。


 ゆえに今でこそ他の国々の頂点に君臨していますが、同時に全ての地域の人々がこの国を支配下に置きたいと考えています。


 今は絶妙なバランスでそれが保たれていますが、それがいつ崩れるとも分からない状況のため、軍備においては余念がなく、この国は商業国家であると同時に、一大軍事国家という一面も持っています。


 ちなみに、今ライスト王国が一番懸念している国は、魔法という力が弱まり、産業国家として台頭してきている。ドーラ地域です。


 何せ、科学という魔法の力に頼らない技術は、今まで魔法というものに頼って、この地位を確立してきていた、ライストの人々から見たら、お前たちの力はもう必要ないと言われているようなものなのですから。


 続いて、闇の精霊の力を得たファイアル地域も要注意です。


 彼らは、まだ闇の精霊の力こそ使えませんが、それがいつ発動されるか分かったものではないです。


 闇の精霊の力は光の精霊と相反する能力。


 自らの地位を脅かすには、十分な驚異です。


 無論、アイスラ、ドーラも決して油断できない相手です。


 とはいえ、現在はまだ戦争が始まる気配はないので、物語のスタート地点とするには格好の場所と呼べるのではないでしょうか?