神話時代ほどの強力な威力ではありませんが、それでも魔法というのは、魅力的な力です。
誰もが、『降魔師』に目覚めた光と闇の民を自らの国に招き入れたいと考えるようになります。
まだ、交渉のレベルなら大丈夫でしょう。
しかし、誘拐や強奪というレベルになったら、大問題です。
自らの力に目覚めた『降魔師』たちは考え、やがて妥協案を見つけ出します。
『降魔』を商売道具とするようになったのです。
さて、それからが大きな問題。
『降魔』に目覚めた光と闇の民は巨大な富を得ることになります。
一方、それに目覚めることのできなかった光と闇の民は今までどおりの生活。
貧富の差はますます開いていきました。
また、各国でもその対応が変わって行きます。
今まで協力し合って暮らしていたそれぞれの国が魔法欲しさに財産の奪い合いが起こります。
厳しい身分制度がどこの国でも惹かれるようになりました。
魔法=貴族の特権
という、ルールがどこの国でも出来上がりました。
さて、この頃の『降魔師』には『降魔』の他にも『除魔』という魔法が使えました。
文字で分かるとおり、魔法を除去する術です。
ゆえに、いかに高貴な魔法使いも、降魔師の前では頭が上がりませんでした。
ですが、ある事件をきっかけに、そのパワーバランスも崩れます。
それは、今から15年前の事件。
6英雄の時代の物語になります。