さて、次からは、人間の争いの歴史です。


 それぞれ五つに分かれた、地域と国。


 千年戦争と呼ばれる長い長い戦争が幕を開けます。


 それぞれの主張はいたって単純。


 我らの神こそが一番上に立つべきである。


 おかしな主張です。


 水がなければ、火の民は飢えによって死んでしまいます。


 火がなければ、水の民は凍え死んでしまうでしょう。


 土がなければ、風の民はどこを歩けばいいのでしょうか?


 風がなければ、土の民は風車の一つも回せません。


 しかし、彼らは自らの主張を譲りません。


 長きに渡る戦争の歴史。


 もちろん、千年ずっと戦い続けるわけには行きません。


 何年も戦い続ければ、人々は疲弊します。


 千年戦争の間には、休戦協定が結ばれたことが、何度もありました。


 それに、五つの国全てが衝突するわけではありません。


 特に仲の悪い、火と水は北と南に、風と土は東と西・・・と両端に置いたのは、先祖たちの最低限の知恵でしょう。


 もちろん、そんなものにはさまれた、光と闇の民は冷や汗物ですが。


 それでも、時に火と土がぶつかることもあれば、風と水がぶつかることもあります。


 千年戦争とは、必ずしも五つの国の衝突を指すのではなく、この千年の間に起きた大小戦争を含めて、全てのことを刺します。