「リッカ、大丈夫か?」

ジンがあたしの前に片膝をついた。

拳銃を足もとに静かに置き、あたしの口に貼られたガムテープを一気にはがす。

「いたっ!!」

口の周りがヒリヒリする。

「すまない」

いつもの落ち着いた口調で謝り、右手であたしの手の拘束を外し始めた。

左腕は、だらりとして動かない。

顔を見上げると、いつもの無表情で眼だけが赤い。