ヨシダが玄関から出たところで、ジンはまだこめかみを押さえたまますぐ近くの壁にもたれかかり、レンは待ちかまえていたかのように立っていた。

「うわっ、ぷ」

驚いて立ち止まったヨシダの背中に、ウメモトがぶつかる。

「なんなんっすか?」

状況がつかめないウメモトがヨシダに気を使いながら、脇に避け、玄関の扉を閉める。

「話がある」

ジンが頭をぶるんと一回大きく振ると、ヨシダを振り返った。