「こちらで再生されますか?」

いつもと違い落ち着き払ったというか、事務的な、何の感情もこもっていない口調。

「はい」

あたしは、それに頷く。

「あなたの名前を教えて下さい」

「リッカ」

「『リッカ』でよろしいですか?」

言葉もいつものレンとは違って、丁寧で違和感がある。

「はい」

それにも頷くと、登録は終了し、

「それでは、ごゆっくりお楽しみ下さい」

レンが赤い眼を閉じ、起動する。