すると、カグの部屋から先生が出てきた。
マイは先生のもとに、駆け寄った。
「カグは?聖は???」
先生は、ニッコリ笑って.....
「とうげは越えました。」
皆の、目から涙がこぼれおちた。
「彼に負担をかけないようにして下さい。」
「はい。」
「中には、今日は3人までにして下さい。」
「はい。」
カグのお母さんが口を開いた。
「じゃあ、私とテルオ君とマイちゃんでいいかな?」
「はい。」
「はい。」
ガラガラガラ
扉が開く。カーテンでカグは見えない。でも確かにそこにカグは居る。
マイは、小刻みに震えながら言った。
「緊張してきた。」
「大丈夫だよ。マイ」
ミイコが、強く抱きしめてくれた。
「うん。」
静かな部屋の中に入っていく。
カーテンを開けると、そこにはカグが居た。
静かに眠っている。初めて会ったときと、同じ。
でも、両足、右手、首にギブスをつけている。
おでこには、包帯を巻いてとても痛々しい。
「ごめんね。カグ.....家になんて呼ばなければカグは...」
テルオは、優しそうに言った
「違うで。マイ」
「え???」
「こいつは、お前に会いに行ったんや。」
「ありがとう。カグ。会いにきてくれてありがとう。」
しばらくして、テルオは部屋から出て行った。
そして、残ったマイとカグの母は、カグの話をしていた。