でも、暗い表情でユキナが言った。
「でも、意識が戻るかわ分からないって。」
マイの中で何かが、崩れた。
マイの目から、大粒の涙がこぼれおちた。
「カグッ!カグッ!」
マイは、その場に崩れ落ちた。
1時間位すると、カグのお母さんがやってきた。
カグのお母さんは、目を真っ赤にしてこちらに近づいてきた。
すると、看護婦さんに呼び止められて、カグの私物を渡されていた。
マイは、1時間たった今でも泣き続けていた。
カグの、お母さんはカグの財布を見てニッコり笑った。
マイは、こんなときに笑えるカグのお母さんが、信じられなかった。
すると、カグのお母さんがマイのもとにやってきた。
「聖の彼女さん?」
マイは、声が出なかった。
マイは、カグの彼女ではない。
隣にいるアサミだ。
アサミは決心したように、言った。
「聖君は、彼女はいませんっ!」
「あ...そう。ごめんなさいね。」
「でも、もう少しで彼女になれた人なら居ます。」
みんな、どうせ自分だろうと、思った。でも...
「この人です。」
アサミが、指をさしたのはマイだった。
「え????」
マイは、わけが分からないまま放心状態で居た。
「言われたの。さっき聖君がきて...別れてほしいって。」
「え???」
「あの人と関係してるの?って、聞いたらうなずいて
 『やっぱり、あいつじゃなきゃ駄目なんや。』って。」
「嘘。」
マイは、また泣き崩れた。
アサミは、苦しそうに笑った。
「あなたには、勝てなかった。」