カグが、寝たきりになって1週間になろうとしている。
マイは、あの日以来一度も人前で涙を流していなかった。
カグの頭の包帯は、深いものではなくかさぶた程度に、なっていた。
毎日来てくれる、仲間。
そして、マイの母も顔を1度出したことがあった。
そのとき母は、『この子なら、大丈夫そうね。』と言って帰ってしまった。
でも、マイにその意味は分かっていた。
1週間たっても、マイはベットで寝ることは無く、カグの手をギュッと握ったまま、眠っていた。
そして、暇さえあればカグに話しかけていた。
1週間目のある日、マイは自分の考えすべてをカグに言おうとしていた。
「ねぇ、カグ。今日は泣いても良いかな?」