千穂のぬくもりが
愛おしかった

その時部屋のドアを
ノックする音がした

…マズい…

俺は慌てて立ち上がり
部屋から出た

もちろん部屋をノック
したのは彼女だった

『大介!』

彼女は笑顔だった

俺は作り笑顔を作った

『ごめん。疲れてる』

嘘をついた

『いいじゃん』

強引な彼女に
嫌気がさした

『しつこいって』

『しつこいって何よ!』

本音に対して彼女が
声を荒げた

俺の中には千穂しか
居なかった

千穂の事しか
考えられなかった

『とにかく
疲れてるから、ごめん』

『もういいよ!』

彼女が怒っていた事に
ホッとしている自分

俺はヒドい男だ