後から母さんに聞いた

千穂の両親が離婚した事

千穂はお母さんの方に
ついていったという事

どこへ行ったのかは
誰にもわからなかった

俺は部屋で泣いていた

顔を枕に押し当てて
声を殺して泣いていた

明日から千穂の顔を
見られなくなってしまう

もっとたくさん話を
しておけば良かった

もっともっと手を繋いでおけば良かった

もっとたくさんキスしておけば良かった

何で俺にも何も言って
くれなかったんだろう

でも最近の俺たちの
状況は会話さえしてない状態だったんだ

そういう運命だった

そう思うしかなかった

千穂がいなくなった
教室での俺は笑う事も
すっかり忘れていた

時間が俺の心の傷を
癒してくれるのを
待っているしかなかった

時間だけが、ゆっくり
千穂の姿を忘れさせて
くれるはずだと思った