そんな情けない俺と
それを見つめる3人

こんな日が来るなんて

その嬉しさで胸が
いっぱいになってくる

その時だった…

カチャッ…

扉が開いた

そこには真っ白な
ウエディングドレス姿の千穂が立っていた

綺麗すぎて、言葉も
もちろんだけど、息さえ出来なくなりそうだった

その姿に、引き込まれてしまいそうになっていた

ウエディングドレスを
引きずる音と一緒に
千穂がゆっくり歩く

俺の前へとゆっくりと
歩いて近付いてくる

俺の前まで来た千穂は
俺の顔を見て、にっこり微笑んでくれていた

俺の大好きな笑顔だ

俺は何も言えないまま
胸の奥から色んなものがこみあげてきていた

きっと目は潤んでいる

言葉よりも感情が先に
出てきてしまっていた

千穂が綺麗すぎて

愛おしすぎて

今日の俺は情けない

だけど…

俺は気付いていたよ

千穂のお母さんと
俺の母さんも瞳を
潤ませていた事を

俺たちが遠回りをして
この日を迎えた事を
2人はわかってくれて
いたのかもしれない

一番しっかりしてたのは千穂だって事がわかった

父さんは何も言わずに
ただそれを見つめていた