初恋~俺が幸せにしてみせる~

『もしも…もしもなんて言葉を使ったとしても
後戻りは出来ないけれどもしも私が元気だとして普通に生きていけるなら私は先生にはきっと
適わなかったと思う。
どっちにしろ千穂は
先生を好きになって
先生との道を選んで
いたんじゃないかと
思うんです』

『それは千穂にしか
わからない事です』

北川さんは軽く頷いた





『私は千穂と一緒に居て本当に幸せだった』





心を込めて、北川さんが放った言葉は、とても
重みがあって、俺の
胸に突き刺さってきた

2人とも幸せだったんだ

辛い運命に左右されて
ばかりの2人だったけどとても幸せだったんだ

それだけでいい

俺が入り込めない世界で2人は幸せを噛みしめてそして離れていくんだ

悔しいけれど、2人は
本当に愛し合っていた

それを認めるしかない

『先生、千穂の事、必ず幸せにして下さい。
私が死んでも千穂が
笑っていられるように』

俺は言葉が見つからない状態でただ頷いていた

それからしばらくの間
北川さんと話をしていた

色んな話をした

千穂との事をたくさん
話してくれていた

北川さんは自分でも
思い出して懐かしんで
幸せそうに話していた

もし、北川さんが
病気じゃなかったら
俺にこんな事を話す
機会なんてなかった
だろうと思う

こうして2人で話すのは奇跡に近いと思った