少し休んでから
片付けをして、病院に
顔を出して、辞めさせてもらいたい事を話そう

そう決めてから
ソファーに横たわった

心地よいソファーの感触

すぐに眠りに落ちた

夢の中の世界では
麻美が待っていた

真っ白な服を着て
笑顔で近付いてくる

俺は必死で拒み続けた

あっちへいけ!と
叫んでいた

麻美は泣きながら
立ち去っていった

その涙が本心だと
思いたい

俺の為に流してくれた
涙だと信じたい

全身にやたらと
眠った感が溢れた

なぜかはわからない

時計はすでに
夕方になっていた

ブラインドの隙間から
夕日のオレンジ色の光が差し込んでいた

起き上がって
キッチンで水を飲んだ

乾いた喉に、潤いが
戻ってくる

部屋を片付け始めて
色んな思いが交錯する

麻美とお揃いにした
マグカップ

麻美の顔が浮かぶ

もう辞めよう…

俺には必要のない
女だったんだから

何重にもマグカップを
袋に入れた

それを思いっきり
力を入れて
マグカップを割った