2人で買ったお揃いの
マグカップに
コーヒーを入れた

俺は麻美の目を
まっすぐに見つめた

麻美はようやく
真剣な顔をした

『借金ていくら
あるんだよ?』

麻美は俺から
目をそらした

沈黙だけが流れた

俺は耐えきれなくて
タバコに火をつけた

最近タバコの本数が
確実に増えている

麻美は溜め息をついた

そしてぽつりと

『500万』

と呟いた

『そんな大金
どうしたんだよ』

麻美は俯いて
何も言わなかった

返済しようと
朝晩稼いでいる努力は
認めなきゃいけない

でもそんな大金

何に必要だったのか

それは言えないのか?

俺は俯いたままの
麻美の手を握った

『俺も手伝うよ』

麻美の手の上に
重ねた俺の手の上に
麻美の涙が落ちた

そして麻美は
首を横に振った