どんな女を抱いても
俺の中から、千穂を
忘れさせてくれる
女は現れなかった

いつまでも千穂を
心の中で思っていた

まだその男と
会っているのか?

まだ抱かれているのか?

泣きながら、寂しい夜を過ごしてるのか?

何を考えたって
千穂には伝わらない

それはわかっていたのに

千穂の代わりを
求めていたわけじゃない

千穂を求めていたんだ

千穂が俺の傍に
居てくれない

失恋した胸の痛みを
ごまかしながら
他の女を抱いている

なるべく、深く俺と
関わらないような女

重い女ならいらない

俺にその気はないから

最低な男だった

最低な形を望んだ

純粋な恋愛なんて
今は忘れてしまった

電車で一目惚れしていたあの頃が遥か昔の
出来事のようだ

今は女に跨り
自分の快楽を求める

バカだな、俺

だからと言って
これを辞めようとは
思わない

この感覚は何だろう

ヤケクソになってる
だけなんだ

愛した女が
傍に居ないから