「まだ俺もガキだったからどうしても留学なんてさせたくなくってさ。『行くな』なんて言っちまったんだよな。今思えば最後くらいかっこよく頑張って来いって笑って送り出してやるべきだったのに。…あいつは夢に向かって真っ直ぐに飛んで行っちまったんだ。彼女の為にはそれが一番良かったんだけど、あの時は自分の弱さが本当に辛くてさ」
先生は何かを思い出すような遠い目であたしを見つめて話してくる。
先生の好きだった女性のことなんて聞きたくないと思う気持ちと、先生の事をもっと知りたいと思う気持ちがせめぎあって苦しくなってくる。
それでも響先生から瞳を逸らす事は出来なかった。
その瞳の色に幼い頃の記憶が蘇る。
幼い記憶の中のその人は、響先生のような冬の寒空を思わせるグレーの左目と星降る夜を思わせる漆黒の右目をしていた。
黄金の髪のオッドアイの名前も知らない外国人のお兄さんだったけれど
彼の瞳がとても綺麗で今でもその色は忘れられない。
思えばあれがあたしの初恋だったのかもしれない。
先生は何かを思い出すような遠い目であたしを見つめて話してくる。
先生の好きだった女性のことなんて聞きたくないと思う気持ちと、先生の事をもっと知りたいと思う気持ちがせめぎあって苦しくなってくる。
それでも響先生から瞳を逸らす事は出来なかった。
その瞳の色に幼い頃の記憶が蘇る。
幼い記憶の中のその人は、響先生のような冬の寒空を思わせるグレーの左目と星降る夜を思わせる漆黒の右目をしていた。
黄金の髪のオッドアイの名前も知らない外国人のお兄さんだったけれど
彼の瞳がとても綺麗で今でもその色は忘れられない。
思えばあれがあたしの初恋だったのかもしれない。



