千茉莉が今日来てからずっと普段どおりの軽い会話をしようと必死だった。
いつものように千茉莉をからかい、千茉莉がそれに答えるように言い返す。
多分誰かが見てもいつもの俺達にしか見えないだろう。
だけど…確実に何かが違った。
千茉莉は…悲しい瞳をしてなかなか俺を見ようとしなかった。
どうしても千茉莉に真っ直ぐに俺を見て欲しくて『千茉莉は歯医者の何が嫌いなんだ』と覗き込むように問い掛けてみた。
そのときの千茉莉の顔がいつもよりずっと大人っぽくて…
その唇が妙に紅く見えて…
不覚にも心臓がどきどきする。
先日の診療台の上に眠っていた千茉莉の姿を思い出す。
俺の白衣を抱きしめる様に眠っていた千茉莉。
僅かに残る涙の後をそっと指でなぞると、彼女は小さく身動きして『先生…』と呟いた。
抱きしめたくなる衝動を抑える事が難しくて、そっと髪を弄ったとき、おまえの口から漏れた言葉。
『あたしが響先生を助けるから…。』
その言葉に受けたあまりの大きな衝撃と感動。
愛しさに思わず可憐なピンク色の唇に吸い寄せられるように唇を寄せ…
一瞬だけ軽く触れた
『ここは一番好きな人の為に取っておいたほうがいいな。』
自分から言っておきながら、寝込みを襲って内緒でファーストキスを奪うなんて俺って最低だよな。
これは俺の胸にだけしまっておくよ。
おまえとの大切な思い出として…。
千茉莉にキスしたあいつのようにおまえの記憶の中に残る事はないかもしれないけれど…。
それでもいいさ。
天使のファーストキスは俺が貰ったんだから。
いつものように千茉莉をからかい、千茉莉がそれに答えるように言い返す。
多分誰かが見てもいつもの俺達にしか見えないだろう。
だけど…確実に何かが違った。
千茉莉は…悲しい瞳をしてなかなか俺を見ようとしなかった。
どうしても千茉莉に真っ直ぐに俺を見て欲しくて『千茉莉は歯医者の何が嫌いなんだ』と覗き込むように問い掛けてみた。
そのときの千茉莉の顔がいつもよりずっと大人っぽくて…
その唇が妙に紅く見えて…
不覚にも心臓がどきどきする。
先日の診療台の上に眠っていた千茉莉の姿を思い出す。
俺の白衣を抱きしめる様に眠っていた千茉莉。
僅かに残る涙の後をそっと指でなぞると、彼女は小さく身動きして『先生…』と呟いた。
抱きしめたくなる衝動を抑える事が難しくて、そっと髪を弄ったとき、おまえの口から漏れた言葉。
『あたしが響先生を助けるから…。』
その言葉に受けたあまりの大きな衝撃と感動。
愛しさに思わず可憐なピンク色の唇に吸い寄せられるように唇を寄せ…
一瞬だけ軽く触れた
『ここは一番好きな人の為に取っておいたほうがいいな。』
自分から言っておきながら、寝込みを襲って内緒でファーストキスを奪うなんて俺って最低だよな。
これは俺の胸にだけしまっておくよ。
おまえとの大切な思い出として…。
千茉莉にキスしたあいつのようにおまえの記憶の中に残る事はないかもしれないけれど…。
それでもいいさ。
天使のファーストキスは俺が貰ったんだから。



