【長編】Sweet Dentist

これまでも彼を護りたいと思った事はあった。

あたしには大きな力は無いけれど、彼が必要としているときには傍にいてあげたい。

喜びも、哀しみも、全部一緒に分かち合い、共に生きてゆきたいと思ったことはあった。

だけど今日ほど彼を愛してあげたいと思ったことはなかった。

彼が愛してくれるだけ、ううん、それ以上にあたしも彼を愛してあげたい。

彼が求める以上に与えてあげたいと…

初めてそう思った。

『響はあなたを愛しているけどあなたはどう?』

真由美さんに送ってもらった日、別れ際に投げかけられた質問。

あたしはそれに答えられなかった。

慌しく色んなことがあって、その意味を深く考えている暇もなかったけれど、響さんが「愛している」と言う度に、あたしの「好き」との違いが分からなくて、どう応えていいのか解らないこともあった。

だけど今は…