【長編】Sweet Dentist


「―っ! …お母さん?」

再び反応を示した彼女に、あたしは必死に語りかけた。

「お願い、目覚めて…。響さんの為に目覚めてください。
彼は今ここにいます。お願い、目覚めて! 彼を抱きしめてあげて」

皆が驚いてあたし達を取り囲む。
あたしは必死で彼女に語りかけ続けた。

どうか…響さんを抱きしめてあげて―…

寂しかった彼の心を、お母さんの愛で埋めてあげて―…




お願い―…




「……」


アリスさんの唇から僅かに息が洩れた―…

それは声にならない声。

だけど…

あたし達にはハッキリと聴こえた。



響…お誕生日おめでとう―…




硬く閉じられた蕾が永い眠りから目覚め…

ゆっくりと花を開いた。