【長編】Sweet Dentist

夫人の涙がようやく落ち着いた頃、ちょうど響さんの生まれた時間が近づいていた。

公爵は毎年響さんの生まれた時刻にもお祝いをしてくれていたらしい。

初めて孫を迎えてお祝いが出来ると喜ぶ公爵に、夫人が再び感極まって泣き出してしまった。

響さんが「これからは毎年来るって約束するからから泣かないで」と宥めたのだけど…

…それは更に夫人を感動させて泣かせてしまう結果となり、結局お祝いの時間ギリギリまで泣き止むことが出来なかった。


11時58分


響さんの生まれた時間に、皆が歌を歌い祝福をした。

流石に男からのキスは要らないと、キスは夫人とあたしからだったけれど、男三人分と称してあたしが4回キスをさせられたのは、絶対王家のしきたりなんかじゃなく、響さんの独断だったと思う。

もしも時代が時代で、彼が一国の王だったりしたら、とんでもない暴君になっていたんじゃないかしら?

あたしの発言に響さんは不満気だったけれど、皆は「ありえそうだ」と大笑いしてその場はとても和やかだった。