【長編】Sweet Dentist

恐れないで…
と願いを込めて交わす唇は、祈りにも似て…
傍に居るから…
と伝える度に、互いを心の奥深くに刻み込んでいるようだった。

触れた唇から魂が交わるような、神聖な感覚。
神様の前で永遠の誓いを交わすのは、こんな風なのかもしれないと思った。

携帯電話のアラームに現実に引き戻されるまで、あたし達は離れることが出来なかった。

忌々しげに携帯を取り上げると乱暴にアラームを止め、あたしに向き直る響さん。

その瞳には決意が表れていた。

「…俺と一緒にイギリスへ行ってくれないか?」

「もちろん一緒に行くわ。…いつ出発するの?」

「三日後…俺の誕生日に」

何故か驚かなかった。

むしろそれが予め決まっていたことのように、自然に受け止めて答えていた。

「大丈夫。ずっと一緒に居るから…勇気を出してお母さんに会おう?」

あたしの言葉に頷くと、彼はもう一度あたしを引き寄せて


長い長いキスをした。