待ち合わせのロビーへ行くとシャルルさんが軽く手を挙げ、すぐにホテルから5分ほどの距離にあるお店へと案内してくれた。
今からお店の見学とは名ばかりの、あたしの留学を左右する試験のようなものが行われる。
ここでシャルルさんのお兄さんである、ジャン・セロンさんを満足させるお菓子を作る事ができたら、あたしがシャルルさんの弟子になる為に必要なある条件をジャンさんが呑んでくれるのだ。
やや緊張気味ではあるものの、妙に度胸が据わっている最近のあたし。
ジャンさんが挨拶をしたときも、これからお菓子を審査されるなんて気負いはなくニコニコしていた。
だって、世界の【アムール】の店内にいて、しかもその厨房でお菓子を作れるのよ?
嬉しくて嬉しくて…
「千茉莉、緊張感がないね。僕らが師弟関係になれるかどうかの瀬戸際なんだけど…解ってる?」
「だって嬉しいんですもの。余り時間がないんですけど、もう始めていいですか?」
動じる事無く手を動かし始めたあたしに、シャルルさんは「相変わらずだなぁ」と笑った。
ステンレスのボールが泡だて器と触れ合う音がリズムを刻み、耳に心地良く響く。
あたしはその音を聞きながら、ただひとつの事を願っていた。
今からお店の見学とは名ばかりの、あたしの留学を左右する試験のようなものが行われる。
ここでシャルルさんのお兄さんである、ジャン・セロンさんを満足させるお菓子を作る事ができたら、あたしがシャルルさんの弟子になる為に必要なある条件をジャンさんが呑んでくれるのだ。
やや緊張気味ではあるものの、妙に度胸が据わっている最近のあたし。
ジャンさんが挨拶をしたときも、これからお菓子を審査されるなんて気負いはなくニコニコしていた。
だって、世界の【アムール】の店内にいて、しかもその厨房でお菓子を作れるのよ?
嬉しくて嬉しくて…
「千茉莉、緊張感がないね。僕らが師弟関係になれるかどうかの瀬戸際なんだけど…解ってる?」
「だって嬉しいんですもの。余り時間がないんですけど、もう始めていいですか?」
動じる事無く手を動かし始めたあたしに、シャルルさんは「相変わらずだなぁ」と笑った。
ステンレスのボールが泡だて器と触れ合う音がリズムを刻み、耳に心地良く響く。
あたしはその音を聞きながら、ただひとつの事を願っていた。



