「飛行機事故から1年と5ヶ月…
ようやく家族で暮らせると喜び勇んでイギリスへ向かった俺を空港で待っていたのは義弟のアンソニーだった。
顔を見るや否や悲痛な面持ちで事故を告げられて目の前が真っ暗になったよ」
声にならない声を絞り出すように語り始めた父は、その時を思い出すかのように、眉を顰め眉間に深い皺を刻んだ。
視線は俺ではなく、一番大きな写真へと向けられていた。
結婚式のときのものらしく、純白のドレスを着た花嫁は幸せそうに若き日の父の隣で笑っている。
この日、二人は未来が幸せであると信じていたはずだったのに…
父が話している間、俺はその写真から目を逸らすことが出来なかった。



