生存者はいないと報道され、母の名前は死亡者の中に連ねられた。
母が帰ってくると信じていた俺は、理由も解らず突然母が戻って来れなくなった事実にかんしゃくを起こし、父を困らせたらしい。
泣きじゃくり、疲れ果て、このクッションに顔を埋め眠ってしまったのだという。
その後、母が何日も帰らぬことで、俺は精神的に不安定になった。
食事も殆ど受け付けなくなり、入院するに至ったのだそうだ。
父はそんな俺を見て、退院後も母親の死をどうしても告げられなかったのだという。
「俺、ずっと前に親父が酒に酔って、母さんが生きているって洩らしたのを聞いた事があるんだ。あれは…本当なのか?」
俺の問いに父は一瞬息を呑んだ。
「…お前ももう大人だ。…事実を受け入れられる年だし、あの頃のように不安定になることもないな。
全部話してやろう。その上で…お前が会いたいのならば会わせてやるよ」
「…会わせて…って、母さんはどこにいるんだ?」
「―…ロンドンだ。
俺は明日からアリスに会いに行く」
母が帰ってくると信じていた俺は、理由も解らず突然母が戻って来れなくなった事実にかんしゃくを起こし、父を困らせたらしい。
泣きじゃくり、疲れ果て、このクッションに顔を埋め眠ってしまったのだという。
その後、母が何日も帰らぬことで、俺は精神的に不安定になった。
食事も殆ど受け付けなくなり、入院するに至ったのだそうだ。
父はそんな俺を見て、退院後も母親の死をどうしても告げられなかったのだという。
「俺、ずっと前に親父が酒に酔って、母さんが生きているって洩らしたのを聞いた事があるんだ。あれは…本当なのか?」
俺の問いに父は一瞬息を呑んだ。
「…お前ももう大人だ。…事実を受け入れられる年だし、あの頃のように不安定になることもないな。
全部話してやろう。その上で…お前が会いたいのならば会わせてやるよ」
「…会わせて…って、母さんはどこにいるんだ?」
「―…ロンドンだ。
俺は明日からアリスに会いに行く」



