【長編】Sweet Dentist


当時、3歳になったばかりだった俺は、母親にベッタリの甘えん坊だったそうだ。

母がイギリスへ行った1週間の間、日中は祖母が相手をしそれなりに過ごしてはいたが、夜になると母を捜し泣いて父を困らせていたらしい。

毎晩国際電話で母と話をすることで、ようやく大人しく寝付くという日が続いていたそうだ。

最後に電話で話した夜、母は「明日の夜には帰るからね」といつもの優しい声で俺に語りかけた。

明日の夜には、母がお土産を持って帰ってくる。

俺はそれを信じ、大喜びで眠ったのだという。


だが―…


翌日、母の乗った飛行機は消息を絶った。