初めて父の心に触れ、傷の深さを感じた俺は、どうしてもっと早くに父の本当の心に触れる事をしなかったのだろうと後悔した。
「俺さ…母さんの事、知りたいんだ」
千茉莉の父親から知り得た事実。
そして僅かに記憶の奥底から思い出したこと。
ポツリポツリと話す俺に、父は黙って耳を傾け、手の中のクッキーを見つめていた。
俺が話し終えるまで、父は一言も話さなかった。
最後まで聞き終えると父は黙って立ち上がり、ついて来いと身振りで示し、自分の書斎へと向かった。
この部屋へ立ち入ることは禁止されており、常に鍵が掛けられていた。
たった一度、好奇心に駆られこっそりと入った事があったが、後で酷く怒られた記憶がある。
その時の父の形相は、幼い俺にとって、まるで鬼のように恐ろしかったことを覚えている。
それ以来、俺は一度も父の書斎に入った事がなかった。
「俺さ…母さんの事、知りたいんだ」
千茉莉の父親から知り得た事実。
そして僅かに記憶の奥底から思い出したこと。
ポツリポツリと話す俺に、父は黙って耳を傾け、手の中のクッキーを見つめていた。
俺が話し終えるまで、父は一言も話さなかった。
最後まで聞き終えると父は黙って立ち上がり、ついて来いと身振りで示し、自分の書斎へと向かった。
この部屋へ立ち入ることは禁止されており、常に鍵が掛けられていた。
たった一度、好奇心に駆られこっそりと入った事があったが、後で酷く怒られた記憶がある。
その時の父の形相は、幼い俺にとって、まるで鬼のように恐ろしかったことを覚えている。
それ以来、俺は一度も父の書斎に入った事がなかった。



