次の瞬間 驚きに目を見開いた父は母の名を呟いた。 …アリス―… 父の声音で聴く初めての母の名前。 記憶の奥底に眠っていた、二人の幸せな笑顔が蘇る。 母を愛しむ父の声は、とても優しくて―… 切なさに身を焦がすその声が、とても寂しげで―… 俺は、父が今でも深く母を愛していることを改めて知った。