【長編】Sweet Dentist

そんなおじいちゃんに背いてでも、パパの気持ちは止められなかった。

そして、アリスさんに英語を教えてもらった後、時々キッチンを借りて作らせて貰うようになったそうだ。

もちろん英語の成績が上がらなかったら話にならないので、凄く頑張ったらしい。

おかげで2学期の成績で見事に苦手科目は克服されたそうだ。

『苦手を作るのは自分の心だ』

パパはあたしに幼い頃から、事あるごとにそう言った。

『苦手』と口にするのは、努力する自分から逃げる事。

それは上手く出来ない自分への弱さへの言い訳でしかない。

下手なりに努力を続けることで『苦手』は克服できるのだ。

『苦手』だから出来ないのではなく…

『苦手』と思う心が出来なくさせているのだ…と。

パパはあたしにそう教えてくれた。

それは、きっとこの時に学んだ事なのだと思う。

アリスさんのお菓子と出逢った事は、パパの中の価値観や、自分の可能性を大きく伸ばす切っ掛けとなったのだと思う。