【長編】Sweet Dentist

「初めて挨拶に行った時、彼女は2~3歳くらいの天使のように愛らしい子供を抱いていたんだよ。
まるで教会に飾られている、天使を抱く女神の絵画を見ているようだった。
今でもあの出逢いは忘れられないね」

そう語るパパは、その時を思い出すように目を細めて響さんを見た。

8歳年上で、しかも天使のような愛らしい子供がいる大人の女性。

まだ中学生だったパパにとって、神々しいイメージの美しい彼女は、手の届かない女神のような存在だったのだという。

もしかしたらパパは、アリスさんに仄かな恋心に近い、憧れを抱いていたのかも知れない。

…でも天使のようなって?

…たぶん…いや、きっと100%の確率で、その子って、響さん…だよね?

…うーん

…天使も随分堕ちたものだなぁ

…なんて思ったことは、モチロン口が裂けても言えないけど、どんな子供だったんだろう。
見てみたかったなぁ。

あたしがそんな事を考えている間も、パパは思い出話を続けていた。