パパのお菓子が響さんの中に眠っていた記憶を呼び起こした。
それは、彼にとって大きな傷を一つ克服したことになる。
あたしは嬉しくて、パパやママの前だということも忘れて、響さんに抱きついた。
昼間響さんと話した後、焼いたというアリスさんのクッキー。
パパはどんな気持ちを込めてこれを焼いたんだろう。
きっと素晴らしい女性だったことを思い出して欲しいという願いを
いっぱいに込めていたのだと思う。
お母さんに沢山愛されていたのだと…
その瞳も、髪も、全部お母さんから愛情と共に授かったものだと…
それを忌み嫌うものと考えないで欲しいと…
パパはそう伝えたかったのだと思う。



