【長編】Sweet Dentist

不思議な顔をしながらも、響さんはそれを一つ取り上げた。

口元まで持っていって、香りを嗅ぎ、躊躇うように手を止めた。

甘い香りが拒否反応を引き起こしているのかも知れないと、不安になる。

「パパ? 響さんは甘いものが苦手なの。無理よ」

「いや、千茉莉…これは…。この香りは…」

何か考え込むように暫くクッキーを見つめていた彼は、思い切ったようにそれを口にした。


次の瞬間

ビクッと身体を硬直させ

大きく目を見開いたまま動かなくなった。