【長編】Sweet Dentist

一方、パパに対面する形で座る、多分少しは緊張しているだろう響さん。

彼の緊張度合いは、5段階のレベル1未満…といった所だと思う。

彼の場合、全く緊張していない事は無いと思うけど、凡人のあたしとは感覚が違うらしく、本当に悠然として見えてその緊張度合いがまったく伝わってこない。


…さすがビケトリ…。


あたしは…と言うと

彼とは対照的に、肩の位置が普段より2cmくらい上がるほどガチガチに緊張している。

5段階のどの辺りかって? そんなの訊かなくてもレベル5なんてぶっちぎっているって解るでしょ?

今日の主役であるあたしが、この場に一番ふさわしくない緊張の仕方をしているって、どうよ?

でも午後のバトルを思い出すと、もう心臓がギシギシと音を立てて軋んでいるような気さえする。

早鐘とはよく言ったものだ
と、どうでもいい事を思いながら、あと1時間この状態で心臓が暴走したら、きっと救急車を呼ばなくちゃいけなくなるだろうと、ストレッチャーで運ばれる自分を想像してしまった。