「いや、水晶を彫って作ったものだ。お守りになる。綺麗だろう?」
「うん、凄く綺麗。これ…誕生プレゼント?」
「いや…これはさ、お前と最初にここへ来たときにやろうと思っていた物なんだ」
「え? あのリサイタルのとき?」
「そう、その前に来たときにこれを見つけた瞬間さ、お前を思い出したんだ」
「…あたし?」
「ああ、初めて出逢ってキャンディを貰ったときに、お前の背中に夕陽に染まる羽根が見えたんだ。
だから、もうすぐ治療が終わってもう会えなくなると思ったとき、お前にこれをやりたいと思ったんだよな。治療が終わったらもう二度と会えないかもしれない。
もしも会うことがあっても、その時は誰かのものになっているかもしれない。
そう思ったら少しでも俺の事を覚えていて欲しくて…
聖良ちゃんにこれを二つ用意しておいて欲しいって頼んだんだ」
「二つ?」
「一つはお前に…俺を忘れないように。
もう一つは俺の為に…お前に救ってもらった気持ちを忘れずにいたかったから…」
響さんは自分用のキーホルダーをあたしの目の前で揺らして見せた。
店内のライトが反射して、羽の曲線に沿って、光が流れるように伝っていった。
「うん、凄く綺麗。これ…誕生プレゼント?」
「いや…これはさ、お前と最初にここへ来たときにやろうと思っていた物なんだ」
「え? あのリサイタルのとき?」
「そう、その前に来たときにこれを見つけた瞬間さ、お前を思い出したんだ」
「…あたし?」
「ああ、初めて出逢ってキャンディを貰ったときに、お前の背中に夕陽に染まる羽根が見えたんだ。
だから、もうすぐ治療が終わってもう会えなくなると思ったとき、お前にこれをやりたいと思ったんだよな。治療が終わったらもう二度と会えないかもしれない。
もしも会うことがあっても、その時は誰かのものになっているかもしれない。
そう思ったら少しでも俺の事を覚えていて欲しくて…
聖良ちゃんにこれを二つ用意しておいて欲しいって頼んだんだ」
「二つ?」
「一つはお前に…俺を忘れないように。
もう一つは俺の為に…お前に救ってもらった気持ちを忘れずにいたかったから…」
響さんは自分用のキーホルダーをあたしの目の前で揺らして見せた。
店内のライトが反射して、羽の曲線に沿って、光が流れるように伝っていった。



