【長編】Sweet Dentist


時刻は午後2時まであと3分。

響さんが迎えに来る筈の約束の時間が迫っていた。

あの後、真由美さんに2時間ほど付き合って、解放されたあたし達。
コッソリ抜け出してきた手前、響さんと一緒に家に帰る訳に行かず、あたしは真由美さんに一旦送ってもらうことになった。

響さんには何とか簡単に事情は説明したけれど、彼はふぅんと鼻を鳴らしただけで、全く気に留める様子も無い。
簡単すぎる説明で、パパの切迫した状況が伝わらなかったんだろうか?

不安な顔をするあたしに、響さんは『心配するな』と言って軽くキスをした。

「俺がいればお前は無敵だって、何度も言ってるだろ? ぜってー留学も交際も認めさせてやるよ。安心してろ」

本当に…

彼がそういうと、何もかも上手くいく気がする。

根拠なんて無いけれど、無条件に大丈夫だと思えてしまう。


不思議だね…。