先に空を降ろし、3人になった車で千茉莉の家へと向かう途中、宙が少し広くなった後部座席から、再び質問をぶつけてきた。
「なぁ? 千茉莉は本当に留学しなくちゃ駄目なのか?」
意外な意見に言葉が詰まった。
「…しなくちゃ駄目なのかって…それは…千茉莉の意志だろう?
あいつは大会で優勝して留学したいと言っていた。
いずれ父親の跡を継いで、自分にしかできないお菓子を作ると、瞳を輝かせて語っていたんだ」
「でもそれはあんたと付き合う前だろう?
今は違うんじゃないか?」
「…どうかな? 例えば俺が日本にいるから留学できないというなら、千茉莉はそれまでだ。
決して一流にはなれない。
本物を見て、本物に触れることが、彼女にとってどれほど大きな財産になるか、お前だって解るだろう?」
「なぁ? 千茉莉は本当に留学しなくちゃ駄目なのか?」
意外な意見に言葉が詰まった。
「…しなくちゃ駄目なのかって…それは…千茉莉の意志だろう?
あいつは大会で優勝して留学したいと言っていた。
いずれ父親の跡を継いで、自分にしかできないお菓子を作ると、瞳を輝かせて語っていたんだ」
「でもそれはあんたと付き合う前だろう?
今は違うんじゃないか?」
「…どうかな? 例えば俺が日本にいるから留学できないというなら、千茉莉はそれまでだ。
決して一流にはなれない。
本物を見て、本物に触れることが、彼女にとってどれほど大きな財産になるか、お前だって解るだろう?」



