【長編】Sweet Dentist

大体、空はともかくとして、どうして宙まで乗せて帰らなくちゃいけねぇんだよ。

そうは思っても、大会の為に色々と助勢してくれた事を考えれば無碍にも出来ず、一応かなり狭いことを予め告げた上で乗せたのだ。

空には少し可哀想かなと同情はしたが、宙に関してはそんなもの一カケラだって無い。

せいぜいその自慢の長い足を恨みながら数時間耐えてくれと笑ってやった。


空が宙に寄りかかり寝入ってしまった為、宙は窮屈に足を曲げ、更に空の体重を受け止め身動きも取れない状態で、狭い座席にコンパクトに収まっている。

この状況は流石に相手が宙でも気の毒にならないでもない。

頼むから俺の車でエコノミー症候群にだけはならないでくれ。
などと、かなり本気で心配になってきた頃、宙が口を開いた。