【長編】Sweet Dentist

「…市山さん、どういうことでしょうか?」

「私より賞に相応しい人がいるのに、受け取ることはできません。
何故、神崎さんが入賞できなかったのでしょうか?
私は納得できません。
理由を教えてください」

彼女の視線は真っ直ぐに千茉莉に向けられていた。

それを聞いていたライバル達が一斉に拍手をし、それはさざ波のように会場全体に広まっていった。

千茉莉は驚いて周囲を見回して困った表情をしている。

青い目の審査員は、少し驚いた顔をして、ガラス玉のような瞳を細めると、信じられないことを告げた。


「今日の審査結果に不満をお持ちの方も多いのは解ります。
実は私もその一人です」