【長編】Sweet Dentist

男が流暢な日本語で型どおりの挨拶で選手達を労う。

その間も会場のざわめきは収まる事無く、むしろ風に煽られ波立つ湖面のように、徐々に広がっていくようだった。

そのとき、3位入賞者の市山という女の子が突然立ち上がった。


「あのっ…私、この賞を受け取れません」


突然の事に、会場が一瞬静まり返る。


彼女は先ほどVIPフロアーへあがってきたときに千茉莉が話していた女の子の一人だった。