【長編】Sweet Dentist

紅茶の香りは記憶に無い母を求めていた心の傷。

紅茶のシフォンケーキは俺そのものを表しているのだろう。

それを優しく護るように包み込む金の羽は、俺の傷を癒そうとする千茉莉の心。

彼女は俺達が出逢ったあの日の風景の中に、俺への気持ちを伝えたかったのだ。



千茉莉の声が胸に沁みる。



あなたに出逢えて良かった。


どんなに離れていても、心はずっと繋がっているから―…

あたしが響さんの傷を癒してあげるから―…

ずっとずっと一緒にいようね。