【長編】Sweet Dentist

会場にホンワリと微熱にも似た温かな幸福感が漂う。

千茉莉の『想い』に満たされていた空間は、審査が始まってもまだ心地良さが残っていた。

審査結果が出るまでの約30分の休憩時間。

選手達はVIPフロアーへやってきて、両親や先生と話したり、寛いだりしていた。

先ほどまでの緊張感は払拭され、高校生らしい表情に戻った彼らには、まだあどけなさが残る。

緊張から開放され気持ちが軽くなったのか、数分前まで火花を散らしたライバルだったことも忘れ、早速仲良く話す数人の中に千茉莉もいた。

俺に気付くと、そそくさと先生らしき人物の元へ行き何事かを告げて、直ぐに俺の元へと駆け寄ってきた。