【長編】Sweet Dentist

眉間の皺を伸ばす仕草に、自分が眉に皺を寄せ、悲痛な表情をしていたことにようやく気付く。

すると彼女は、この間俺が魔法をかけてやると言った時の仕草を小さく真似して『大丈夫』と唇を動かした。

こんなときでさえ俺の心を癒してくれる千茉莉に頭が下がる。

この状況をどうしてやることも俺には出来ない。

だが最後まで後悔だけはしないよう、せめて不安を少しでも軽くして、最後まで思い切り楽しませてやりたいと思った。

千茉莉に応えるように同じ仕草で魔法をかけ唇を動かす。



『お前ならできる』



千茉莉は嬉しそうに頷くと、すぐに細い指先を動かし始めた。