【長編】Sweet Dentist

飾りつけの際、空との呼吸が僅かに乱れた瞬間に、かなりの時間をかけた美しい飴細工は一瞬で崩れ去った。

空は真っ青になっておろおろしているし、宙も俺の隣で息を呑み呆然と二人を見つめている。

今からあれだけ大きな飾りを制作するのは時間的に不可能なことは明らかだった。

こういったアクシデントは減点の対象になってしまう。

どんなに才能があっても最高得点者になれなければ優勝は出来ないのだ。

不測の事態への柔軟な対応も審査の対象になるらしく、俺の位置から見える審査員席の偉そうなおっさん達の視線が一斉に千茉莉に注がれていた。