【長編】Sweet Dentist

彼女の為には何が必要で、そのために俺がどうするべきかは、良く解っている。

頭では解っているのに…

不安で…

寂しくて…

心が闇に囚われていく。


もしも…この大会で優勝できなかったら、彼女はどうするだろう?


亜希の留学話を断ったくらいだ。二度と留学しようという気持ちにはならないんじゃないか?


優勝さえしなければ…


千茉莉は永遠に俺の腕の中から飛び立つことは無い―…?


思考は負の感情に苛まれ、徐々にコントロールを失ってゆく。

弱い気持ちが邪心に呑まれそうになったその時―…

アクシデントは起こった。