千茉莉には天性の才能がある。 それはずっと前から周囲からも聞かされ、先日のウェディングケーキを通して、俺自身も強く感じていたことだった。 だが千茉莉の才能は、俺の見解を遥かに越えていた。 他の選手より遅れて作業を始めた千茉莉だったが、一度その手が動き出すと、誰もが彼女に目を奪われた。 口元に微笑を浮かべ幸せそうに創作をする様子は、あきらかに緊張と気迫でピリピリと神経の張り詰めているライバル達とは違っていた。