【長編】Sweet Dentist

深い深い心の奥底からゆっくりと浮上する。

甘やかな夢の色が少しずつ薄くなり、徐々に意識が深部から還ってくる。

細く目を開くと、ステンレス素材に反射した人口の光が最初に目に入った。

無機質な冷たい色にようやく現実に還ったことを自覚し、瞬時にスイッチをフルモードに切り替えた。


そのとき―…


あたしは不意に視線を感じた。

今日この場所に在り得ない…

でも絶対に間違える筈の無いこの視線。

まさかと思いつつ、視線を感じる先へと感覚を追うと―…

そこにはホッとした顔をした響さんがあたしを見下ろしていた。